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zoom RSS 赤池学氏 「子ども基準」のものづくりで

<<   作成日時 : 2007/03/01 17:34   >>

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「鶴岡デザインオープンカレッジ2007」
 財団法人庄内地域産業振興センター(鶴岡市末広町)では2月27日、鶴岡駅前マリカ西館3階市民ホールにおいて「鶴岡デザインオープンカレッジ2007」を開催した。講演に先立ち佐藤元氏(社団法人日本グラフィックデザイナー協会、東北地域代表・山形地区代表幹事)は、「環境を除いてものづくりは考えられない。また、車に乗るとドライバーは、性格が変わったように危ない運転をすることがある。“車に乗ると優しくなる”そんなデザインを考える。」と挨拶した。

 続いて、山形セレクション会議委員長、グッドデザイン賞審査副委員長である赤池学氏(潟ニバーサルデザイン総合研究所代表取締役所長、科学技術ジャーナリスト)による、モノづくりに果たすデザインの役割と可能性について講演した。
 赤池氏は、生きものや自然と触れる機会に恵まれていた昭和30年代に、モノづくりの町・東京都大田区大森で生まれ育ち、大学で『生物学』を学んで、そして、自分が育った環境で『モノづくり』を見てきた。実はこの二つがとても似ているということを感じました。例えば、モノは一つ一つの部品の機能を具体的に組み合わせていくことによって製品としての新しい機能が出てくるのです。そして、そのようにしてつくられた製品を、消費者が買ってくれるか、買ってくれないかで絶滅してしまったり、生き残ったりしていくのです。つまり、売れる製品というのは『進化』しているということです。また、『環境に優しいモノづくり』という点で見ていくと、材料を非常に大切にして、省資源で生体をつくっていくという生物の仕組みには、モノづくりにつながるとてつもないヒントにあふれているのです。と述べた。
 一方、ユニバーサルデザインの提唱者のノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス氏にふれ、自身も身体に障害をもつ彼は、それまでのバリアフリーの概念に代わって、「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」をユニバーサルデザインとして定義しました。ユニバーサルデザインは、“すべての人が人生のある時点で何らかの障害をもつ”ということを、発想の起点としている点で、それまでのバリアフリーデザインとは大きく異なる。そこには、可愛そうな人のために何かしてあげようと いう慈善はない。また、ユニバーサルデザインの領域は製品、施設、都市などの目に見えるものから、サービスやシステムなどの目に見えないものまで多岐にわたる。それらが関連し、補完し合わなければ、ユニバーサルデザインの社会は実現できない。と述べている。
 また、みんなが使いやすいモノをつくるのであれば、そのモノを開発する段階からみんなに参加してもらうことがすごく大切だという問題意識をもっていました。そのためには、色んな専門性や知恵を持っている人たちと絶えず相互交流をしながらモノや地域の開発を手がけていくことが求められているのです。実際に、「環境に優しい街づくり」など、いわゆる環境がらみの地域開発を行う場合、考えなくてはいけないことは、生物や身体への影響です。その時に、医学とか生物学とか有機化学とかとにかく様々な専門的知識が必要になってくるわけです。要するに「環境」というキーワードで街づくりを行うにしても、様々な人たちの知恵がないと作れない時代なのです。ユニバーサルリレーションというのは、高齢者、障害者、子供、健常者という人たちをあらかじめ、リレーション(関係性)という形で製品を作る段階から参加してもらうということです。そうすることで、参加してくれた人たちは『自分たちが参加した』という想いから、その製品の宣伝もしてくれるし、買ってもくれるようになります。こうすることで、ギャンブルではないモノづくりができるのです。同じことをあらゆる分野でやればいいわけです。例えば、これから新しい住宅を作るという時に、林業の人や、製材業者、住宅メーカーや工務店の人、そして地域の生活者の方たちがみんなで一緒に新しい住宅を構想し、形にすれば、みんな応援してくれるのです。

 例えば、従来の畳は畳床の部分に「わら」を使っていましたが、『ヒノキの健康畳』はヒノキの廃材を使用しています。これは、岐阜県のメーカーと協働で開発をしてつくったものです。今「防虫畳」として売られている畳というのは、畑にまく有機リン系の農薬の10数倍が染み込んでいます。なぜ、そのような農薬を染み込ませるかと言うと、ダニやカビが発生してしまうからです。しかし、このような畳はシックハウスの原因となっているのです。では、「ダニやカビは、農薬とか化学物質でないと抑えられないのか?」というところから開発は始まっています。この『ヒノキの健康畳』はその名の通りヒノキを使ってつくられています。なぜヒノキかというと、ヒノキの製油成分は天然の防虫抗菌効果をもっているからです。これなら、ヒノキの製造時に出てくる廃材を利用して、化学物質を使わず植物本来の力でダニやカビを抑えられ、シックハウス問題を解決する畳を作れるのではないかという想いでこの製品をつくりヒット商品になりました。そして、これが売れていくと、ヒノキの廃材を提供している林業従事者の方々にもメリットを与えられる。なぜかと言えば、ヒノキは製造時にこういう削りカスがいっぱい出ますが、天然の抗菌効果があるため土の中に埋めても、微生物が自然分解してくれません。そのため、林業従事者の方々は、この廃材に重油をかけて、燃やして、二酸化炭素出して、温暖化を進めながら処理してきたのです。つまり、コストのかかるゴミだったわけです。しかし、こういう畳が地域の中で売れる製品として確立してくると、ここに提供している今までお金のかかっていたゴミが、今度は、価値のあるモノとなって利益に変わってくるということになります。これが、『身体的な弱者を救うだけの製品開発ではない』ということです。と述べた。

 最後に、次世代育成支援や少子化対策の気運が叫ばれるなか、子どもや保護者・教育者が安全安心に生活できる環境を産官学民が一体となって創出することが求められています。こうしたテーマに取り組むことが、企業の社会的な責任ととらえる企業も数多く台頭してきました。こうした情勢を背景に、子どもの安全安心の向上、健やかな成長発達が見込まれる社会形成を目指し、企業・団体が自主的に業種を超えて集い合う、キッズデザイン協議会を設立いたしました。これから先もずっと、地球を持続していくためには、自然に学び、自然の力を生かすものづくりが不可欠です。そして、いうまでもなく次世代を担うのは子どもたちです。その子どもたちにとって、いい商品、いい技術、いい社会システムかどうか?という基準に照らした商品開発を「子ども基準」のものづくりで、千年持続の実現を図っていかなければなりません。と熱く語った。

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