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zoom RSS 「直島・家プロジェクト」

<<   作成日時 : 2006/06/05 13:38   >>

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 「北前船コリドール経済・文化フォーラム」では、秋田県と山形県庄内地方を結ぶ海岸線の延長約200`を一つのコリドール(回廊)ととらえ新たな地域経済文化圏を構想している。フォーラムのパネルディスカッションでの席上、建築家で東大特別栄誉教授の安藤忠雄氏は、活力ある地域づくりの方向性として「好奇心の原点といえるのが『まち』であり、町全体が美術館のようなもので、楽しめるものに−」と掲げた。その美術館のような「まち」とはどのような街なのだろうか−。

 瀬戸内海に直島という小さな島がある。人口およそ3500人のこの島は安藤氏の設計による宿泊施設と美術館「ベネッセハウス(直島コンテンポラリーアートミュージアム)」や「地中美術館」でも知られており、世界各地からその人口の何十倍もの人々が訪れているという。本来ならば過疎と言われるような場所をアートと組み合わせることにより、その地域特有の文化を新たにつくりだし世界に向けて発信することに成功している。
 このベネッセコーポレーションが手がけた「直島・家プロジェクト」では、少しずつ古い家が姿を消したり空家になってゆく状態が続いていた本村地区に残る民家を修復・保存し、そこで現代美術作家が作品を制作・展示している。

 プロジェクト第1作目の「角屋」は香川県牟礼のイサムノグチのアトリエ修復も手がけた建築家の山本忠司氏が監修。壊れかけた土蔵のある民家を修復したもので、宮島達男氏の作品が3点展示されている。屋内の畳とふすまが取り除かれた薄暗い座敷には水が張られ、その中には赤・黄・緑色のデジタルカウンターが散りばめられ、それぞれ違った速度で時を刻んでいる。
 内藤礼氏の「きんざ」は完全予約制となっており、中に入ると天井と床を取り除いた土と柱だけの何もない空間でその中に1組15分ずつ入り、地面に座り、その時間と空間を思い思いに過ごす。
 焼杉板を使った真っ黒な外観の「南寺」は安藤氏によって新たに建てられたもので、ジェームス・タレル氏の作品が設置されている。係員に暗闇の館内のベンチに座って10分程度待つよう説明を受け、建物の中に案内されるとしばらく何も見えない状態が続く。そして5〜7分経過すると徐々に目が慣れて作品が見えてくる。感覚器官を利用した作品になっていて真っ暗闇の中での奇妙な浮遊感が面白い。
 「護王神社」は改築にあたって、神道の象徴である神社を現代美術の作家杉本博司氏に造らせたもので、建物そのものが作品となっている。地下の石室と本殿はガラスの階段で結ばれていて、本殿へと続く階段から光が降り注いぎ本当に神域へ通じているかのような光景である。

 このように島のあちこちで芸術家によるアート作品を目にすることができるほか、使われなくなった農協の建物を西沢立衛氏の設計で改修した本村ラウンジ&アーカイブや、SANAA(妹島和世+西沢立衛)による設計で、現在建設中の新しいフェリーターミナルとなる「海の駅」など見所が満載だ。
 また、この本村地区を歩いていると色付きのベースや文字がくり抜かれたプレートが民家に設置されていることに気づく。一見表札のようにも見えるのだが「きちだゆう」、「きんざ」、「あこや」、「こおや」、「なかや」と多種多様。実はこれらは町の景観整備事業として設置された「屋号表札プレート」で、屋号のある主だった民家に設置されている。家プロジェクトの「角屋」は、(かどや)と読むのだが、通りの角に建っているので、そのまま“かどや”と呼ばれている。「きんざ」は、初代の世帯主“金左衛門(きんざえもん)”を短く呼んだ呼び名“きんざ”に由来するという。そのほか、あこやは赤穂(あこう)から移住、こおや(紺屋)は紺染をしていた紺屋(こんや)が変化して“こおや”となったもの、中屋は集落の中ほどにあるからなど、それぞれ人名、商号または職業、所在地、先住地に由来している。このプレートのベースの色は、その家が接した道路によって赤、青、黄などと色分けされており、その色付きのベースや文字がくり抜かれたプレートが壁に落とすシルエットもおもしろい。
 些細なことだが地域が持っている資源や特色に目をつけた取組みに関心させられるとともに、観光地として自分たちが観られるということをきちんと意識しているのだなと思う。昔ながらのたばこ屋でおじいちゃんがチケットを売っていたり、説明してくれる係員が普通のおばあちゃんだったりと、非日常だったはずのアートが日常に浸透してきているように感じた。

 直島では1970年から 、石井和紘氏の「直島建築」でも知られる小学校、幼稚園、中学校、町役場と非常に立派な教育施設と教育システムを文教地区として完成させている。また、高齢者と若者が交流する総合福祉センターによる余暇や福祉のための施設も島の規模を考えれば非常に充実しているように思える。
 こうした地方の小さな島で、ベネッセという一企業が20年近くの長期にわたる活動を実現させてこれたのも、島の人々がもともと自分達の地域というものに対して高い意識を持ちあわせていたからではないだろうか。
(記者と建築士の二刀流・友人より)
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物語のある家
物語のある家 (くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本)

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とってもとても素敵な現代アート
アートには素人だったのですが素人なりに楽しみ方を見つけました。 ...続きを見る
ぶらぼー現代アート!
2009/10/16 19:53

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